生命体が存在するために、水が必要なのはなぜ?

雑学
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最近、木星の衛星であるエウロパで、水蒸気が存在していることが分かったというニュースがありました。

木星の衛星エウロパで水蒸気を検出…生命の存在を確認するために探査機を打ち上げ

地球の他の星で水が存在するかもしれないというニュースが出ると、いつも結構な注目を集めます。水があることは生命が存在する条件だとされているからですね。

水が存在するかもしれないなら、そこに生き物がもしかしたらいるのかもしれないと、こう考えられるわけです。

でも、ちょっと待ってください。そもそも生命が存在するために、水が必要と言うのは、どういった理屈何でしょうか。そう思ったことはありませんか?

ぼくはその疑問を感じてきていた人でした。だからといって、熱心に調べようと思いはしない程度のものでしたが。(苦笑)

その疑問対して、最近偶然にそこそこ納得のできる答えを見つけました。図書館でふと『生命の星の条件を探る』という本を目にして、それをパラパラめくっているとこの疑問の答えがあったのです。今回はそれを共有したいと思います。

文庫版もあるようです。

記事の内容で、ぼくの勉強不足な点があれば、コメント欄からお知らせください。

1.生命体とは?

生命体には水が必要であることの理由を考える前に、生命体とは何かをはっきりさせておきたいと思います。

生命体っていうと、生きているものだろう。そんなの明かじゃないか。そう思う人もいるかもしれません。

しかし、「生きている」ってどういう状態?というと、説明しづらいのではないでしょうか?

科学者たちは、そういうことを考えて色々と条件を考えました。これを備えているものを生き物としよう、というものです。これには色々と意見の違いがあるようですが、一般的なのは下の4つくらいではないかと思います。

・細胞からなる
・自己複製を行う
・代謝を行う
・刺激に対して反応する

この他にも、「成長すること」を含めるべきだとか、自己複製だけで十分だという立場もあるようです。まぁここではこの4つでいいでしょう。

一つ目の「細胞からなる」というのを条件にしているのは、自分と外界を分ける境界を持っていることが大切だからなのだろうと思います。自分と外界を分ける境界を持っていないものについては、ぼくたちはそれを生物とは思えないでしょう。

二つ目の「自己複製を行う」というのはどうやらかなり重要なようです。でも、分かりにくいことはないでしょう。自分の仲間を自分で作るということですね。

三つ目の「代謝を行う」というのは、いまいちピンと来ないかもしれません。不勉強な自分としても、少しわかりにくい言葉です。分かりやすく言うなら、「食べて、消化して、エネルギーにしたり体の一部にしたりする」ということになるでしょうか?少し自信がないです。生物に詳しい人に確認したいところです。

四つ目の「刺激に対して反応する」というのは、ぼくたちの生き物のイメージにピッタリ来ます。動物なら危険があれば逃げようとするし、植物なら太陽の光を効率よく受けるように成長します。

一旦はこの四つを生命体の条件として考えてみることとします。

2.とりあえず生命体には液体が必要

前置きが長くなって、すみませんでした。生命体の定義を考えたところで本題に入りましょう。

まず、最初のステップは生命体には液体が必要だということの確認です。

最初の方に紹介した『生命の星の条件を探る』の著者は、阿部豊教授(故人)という方です。この方は生命に液体が必要になる理由を次のように書いていました。(ざっくりとしたまとめ方になりますが、ご了承ください。)

生命体は外界と物質のやり取りをしているし、自分の内部でも物質のやり取りもしている。(これが代謝)
そうやって「生きて」いる。

     ↓

物質をやり取りするためには、物質を運ぶものが必要。

     ↓

その運び役として、気体は薄すぎて効率が悪い。固体なら運びにくくて効率が悪い。

     ↓

液体がちょうどいいバランスなので、液体を使うのが合理的。
液体ならある程度のまとまった量を扱えるし、運びやすいですからね。

こういう流れで、生命体には液体が必要だ、ということになるようです。

3.生命体が利用する液体として水が適当な理由は?

生命体が存在するために何らかの液体が必要だということを認めたとしても、なぜそれが水なのでしょう?

それには水の物理的な特性が関わっています。それを三つ紹介しましょう。

(1)水素Hと酸素Oは宇宙でたくさんある元素

生命体が何らかの液体を使おうとしても、その液体が非常に珍しいものであるとダメですね。それがないと死んじゃうという物質が珍しい物質であるなんて無理ゲーですよね。(笑)

その点で水は優秀です。材料となる水素と酸素が、宇宙にはたくさんあるからです。

宇宙に存在する元素の中で、水素とヘリウムが圧倒的に多く、それに続くのが酸素、炭素、ネオン、鉄などになります。

宇宙で二番目に多いヘリウムは非常に安定していて、反応しにくいので、生命体が使うには適していないと阿部教授は書いています。

(2)水は液体として存在できる範囲が広い

水は液体として存在できる範囲が広いそうです。

ぼくはこのことは知りませんでした。水のように色々な条件下で液体として存在できる物質は多くないんですね。

水が液体として存在できる範囲が広いことの鍵は、水の結合の強さにあるようです。水分子では水素結合というかなり強い結合でできていますよ、と高校で習うと思います。あれです。

物質と言うのは熱を加えてやると、動きが激しくなります。すると、固体だったものが固体でいられなくなり、液体だったものが液体でいられなくなりするわけです。

しかし水は結合が強いので、多少の加熱ではバラバラになったりしません。統率力の高い軍隊のようです。

では液体として存在できる範囲が広いのが、どうしてよいことなのか?それは逆を考えてみれば明らかです。

液体として存在できる範囲が狭いと、ちょっとした環境の変化で、すぐに固体になったり気体になったりします。そうなると、その液体が担っていた働きがすべてストップします。生命体の身体が保てなくなったりもするでしょう。

そういう訳で、液体として存在できる範囲が広いのは重要な条件のようです。

(3)水は極性がある

もう一つ重要な性質が水にはあります。極性です。

極性というのは、電気的なバランスの偏りのことです。電池みたいに+極と-極があるという理解でもいいと思います。

水の+極みたいなところには、マイナスの性質を持った物質が近づきますし、水の-極のようなところには、プラスの性質をもった物質が近づきます。こうして塩のような色々なもの溶けやすくなるわけですね。(かなりざっくりと言いました。)

そして水に溶けたものを生き物は使うことができるようになります。

そういった意味で極性が有効になってくるわけです。

まとめ

ここまでで生命体には水が必要である理由を見てきました。最後に内容をまとめましょう。

1.生命体には何らかの液体が必要
2.水の材料は宇宙にたくさんある→水はたくさんある可能性が高い
3.水は液体として存在できる範囲が広い→生命体が使うものとして適切
4.水は極性がある→色々なものを溶かして、使うことができる

ただ、注意してください。

この4つのポイントは、水が生命体の土台として使いやすい物質である理由の説明でしかありません。水でないといけない理由はどこにも書いていません。

つまり、水ではない物質が地球外生命体を支えている可能性もあるわけです。紹介した本の中で阿部教授がそう書いていました。

実際にメタンなどを使っている生命体の存在に関する研究もあるそうです。面白そうな研究ですよね。

では今回の記事はこのあたりでおしまいとしましょう。

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