このページを訪れているあなたは、
書店に行ったらたくさんの単語帳があって、どの英単語帳がいいのか分からない
といったモヤモヤを抱えていることだろうと思います。
そんなモヤモヤの解消に一役買うべく、このページで京大生の僕が市販の英単語帳にもっている印象をまとめました。書いたことは全部本音です。
(まぁ、建前を書く理由もありませんが………)
これを読めば、
- 塾に通わずに京大に合格
- 京大の英語の点数は、受験生の中で上位
- TOEICで900点を獲得
といった経験のある僕の視点で単語帳を選ぶことができるようになります。参考にしてもらえるはずです。
単語帳の選びの前に知っておくべきこと
焦らすようで申し訳ないのですが、本題に入る前にどうしても伝えておきたいことがあります。
それは、以下の2ポイントです。
1.語彙力はあなたが思う3倍大事
2.良い単語帳が人によって違う
それぞれについて説明します。
語彙力はあなたが思う3倍大事
このページを訪れてくれているのですから、あなたは英語の勉強で語彙力が重要だということを知っている or 聞いたことがあるのでしょう。
ただ、それでも「あなたが思っているよりも語彙力は重要です!」と伝えておかずにはいられません。
その理由は、すべての英語の会話・文章を分解していくと英単語に行き着くから。
(もっと分解すればアルファベットになるんじゃないか?と意地の悪いことは言わないでください。)
とにかく、英単語は英語を組み立てる最小の部品です。
この部品が少なかったら大きくて立派な英語力は作れないし、数が多くても粗悪品だったら質の悪い英語力になってしまいます。
逆に、英語の部品(つまり英単語)を丁寧に作り込んでいくとどうなるでしょう。
確かな英語力が出来上がるはずです。
単語帳の評価は人による
こんな記事を書いておいて言うのも何ですが、 どの単語帳がいいかなんて人によります。あるいは、使用の目的にもよるかもしれません。
例えば、ぼくなら「ユメタン」という単語のレイアウトが好みです。一方でそれが苦手な人もいます。
そういったところでどうしても主観が入ってきます。誰にでも好まれる単語帳はないでしょう。
独断と偏見で単語帳6個を評価
では本題へ。
紹介する単語帳を選んだ基準
ここで紹介する英単語帳を選んだときの基準は、
①多くの書店で置いていること
②10年以内に編集されたものか?
③ぼくの好みに合うか?
この三つです。
多くの書店で置いていること
この条件を考えないと、この記事の意味がなくなります。
みなさんが、ここで紹介された単語帳を見てみようと思って書店に行っても置いてなかった………そんな悲しいことになってしまいますからね。
そうならないように、多くの本屋さんで置いてそうなものを選んでいます。
10年以内に編集されたものか?
また、いい単語帳でも古すぎるものはよくないかな?と思ったので、そういうのは除きました。
大学入試で使われる語彙も時の流れとともに移り変わっているはず。
ぼくの好み
やはり本音で評価しようと思ったら主観を抜きにすることは出来ません。
どうしても僕の好みが入ってきます。
個人的に、単語が淡々と並んでいるシステムが好みで、例文や長文の中で覚えるのは効率が悪いと思っています。
長文の中で覚えるタイプの単語帳でハイクオリティなものもありますが、僕は使いにくく感じます。そういったタイプのものは扱っていません。
評価の観点
評価は次の四つの観点でやりました。
- レイアウト
- 発音・音声
- 携帯性
- 例文
- 価格
その後に簡単な紹介と不安な点を書いています。
紹介する順は、有名な順です。僕の体感にはなりますが。
さて、お待たせしました。単語帳の評価を始めていきます。
まずは、シスタンから。
システム英単語シリーズ(2冊)
2011年初版出版
レイアウト:
発音・音声:
携帯性:
例文:
価格:
・システム英単語Basic:高校基礎~センター試験レベル
・システム英単語:センター試験~最難関校レベル
概観
最初は駿台文庫より、信頼と実績のある定番の単語帳「シスタン」。
定番なだけあって、バランスのいい単語帳です。
特徴は「ミニマルフレーズ(だったかな?)」というモノ。
短くて頻出の表現の中で単語を学んでいこう、という感じ。
“remain” の場合のミニマルフレーズは “remain silent” :「黙ったままでいる」でした。
例文よりも、このフレーズ形式で短くまとめてくれているのは、かなり大きな魅力です。
改訂されてデザインが大きく変わりました。シンプルでかっこよくなりましたね。
気になる点
ただ気になることが1点あります。
それは、無料ダウンロード音声の機能が限定的なこと。
単語とその日本語訳しか言ってくれないそう。
フレーズの音声は、無料では聞けないようです。
まぁそれでもないよりは全然ましですけどね。
もし、フレーズの音声も聞きたいとなると、すごく高くなってしまうので厳しいでしょう。
ターゲットシリーズ(3冊)
2011年初版出版
レイアウト:
発音・音声:
携帯性:
例文:
価格:
・ターゲット1200: 中学~高校基礎レベル
・ターゲット1400: センター試験~中堅私大レベル
・ターゲット1900: センター試験~二次試験標準レベル
概観
有名な単語帳の中で、最も携帯性に優れているのはターゲットだと思います。
内容は充実しているけど、かなりコンパクトです。
中学から高校への橋渡しのための「1200」、
高校基礎~中堅大レベルを扱った「1400」、
高校基礎~難関大レベルを扱った「1900」
3冊共にコンパクトです。
この内「1400」と「1900」の対象レベルの下限はほぼ同じですから、自分の目指すレベルによって選ぶといいと思います。
いわゆる難関大学を狙うなら1900、そうでないなら1400と言った感じで。
ターゲットは信頼できるデータをもとに作られており、入試に出る頻度順に単語が並んでいるそうです。
無料ダウンロード音声がある点など、機能が充実した単語帳という印象ですね。
気になる点
一つ気になるのは例文の長さ。
しっかり一文あるので、一瞬で確認するというわけにはいかないかな~という感じです。
ここは好みの問題かもしれません。
気にならないなら何も問題はありません。
ぼくはそれが気になるタイプです。
100個とかになってくると、文章を読むたびに発生する小さなストレスが積み重なっていきます。
意味が取れる範囲で、例文をできるだけ短くしてほしいっていうのがぼくの意見です。
シスタンのフレーズ形式が魅力と言ったのは、そういう意味です。
ユメタンシリーズ(4冊)
2016年初版出版
レイアウト:
発音・音声:
携帯性:
例文:
価格:
・ユメタン0:中学~高校基礎レベル
・ユメタン1:センター試験レベル
・ユメタン2:二次試験標準レベル
・ユメタン3:最難関校レベル(僕はここまでやったけど、これが京大で必要なのかは人による)
概観
これは天下の灘高校の教師であるキムタツ先生が編集した単語帳で、
自分も使っていた単語帳です。
だから、ユメタンについてはいいところ、悪いところがよく分かります。
いいところはレイアウトの統一性と発音へのケアですね。
他の単語帳と違ってユメタンは、「一つの単語に割くスペースはこれだけ」と決めてあります。だからレイアウトの統一感は抜群です。
また、発音についてはユメタンが一番ではないかと思います。
発音記号だけじゃなくてカタカナも付いているので、英語の勉強を始めたばかりの人も安心です。もちろん音声CDもついています。抜群のサポートでしょ?
カタカナがついているだけなら他にもありますが、ユメタンのカタカナ表記には正確性についての考慮もあります。
具体的には、
普通のカタカナ表記:negative → ネガティブ(本当の発音とかなり違う)
ユメタンのカタカナ表記:negative → ネガティV(本当の発音に比較的近い)
という表記になっていて、一般のカタカナ表記とは一線を画しています。
さらに、発音記号を一つ一つ解説してくれています。発音に関してどれだけ力を入れてるんだってツッコみたくなります。

ここまで丁寧に発音をケアしているのはユメタンくらいでしょう。
気になる点
しかし当然のことながら悪い点も3点ほどあります。
1点目は「ページ数の割に単語収録数が少ない → 何冊も揃えないといけない」ということ。
レイアウトに統一感を持たせて、見やすさを確保したことの代償ですね。
もう2点目は「シンプルに高い」ということです。
これには1点目も関係していると思います。
ページの割に単語収録数が少ないから、ページが増えちゃうんですね。
ユメタン1と2の2冊揃えるだけでも3000円以上しますから。
これはかなり痛い。
3点目は、背景が赤系の色で統一されているのが好みによる、ということです。
ぼくはこのデザインが割と好きでしたが、嫌いな人もいそうです。
DUO
2000年初版出版
レイアウト:
発音・音声:
携帯性:
例文:
価格:
DUO3.0:センター試験~最難関大レベル
概観
DUOは単語が並ぶ形式ではなく、まず例文があって、
そこに含まれる単語・熟語の説明がついてきます。
単に意味の説明だけではなく、派生語・関連語なども載っていますね。
発音に関してもサポートは十分です。
カタカナ表記もあります。
気になる点
気になる点は4点です。
1つ目は値段です。
DUO本体とCDのセットを全部買ったらかなり高くなります。
2つ目はレベルが高めなことです。
高校1年生から使えるようなものではない気がします。
3つ目は、少し古めなのことです。
4つ目は例文が長いことです。
全体的に見るとイマイチというところですかね。
Stockシリーズ(2冊)
2018年初版出版
レイアウト:
発音・音声:
携帯性:
例文:
価格:
・Stock3000: 高校基礎~センター試験レベル
・Stock4500: 高校標準~難関私大・国公立2次レベル
概観
こちらの著者は有名予備校講師の関 正生先生です。
これから売れそうな予感がしますね。
とにかくカッコいい。
発音のヒントのカタカナとアプリのサポートがあるので、発音面も充実しています。
例文が短いところも個人的に好印象です。
それに一つ一つの単語に関先生のコメントがついているのもいい。
記憶を助けてくれます。
気になる点
ただ、Stock4500の方がかなり分厚いです。
なので、ページをめくりにくい and 携帯性が微妙という感じです。
でも逆に言うと、気になるのはここだけですね。この分厚さが気にならないか、気になったとしても後で慣れれば、このシリーズはいい買い物になると思います。
ランク順英単語2300
2016年初版出版
レイアウト:
発音・音声:
携帯性:
例文:
価格:
ランク順英単語2300:高校基礎~二次試験標準レベル
概観
メジャーではなさそうですが、これはいいと思います。
ぼくが今の知識を持ったままで高校生になるなら、これを買うかもしれません。
概観としては、どこにも大きな穴がないという感じ。
大抵のレベルはこれ1冊でカバーできそうです。
単語帳には珍しく、前置詞だけを詳しく説明しているコーナーがあります。
これはちょっとした驚きでした。
カタカナと音声ダウンロードで発音勉強のサポートも万全です。
例文とフレーズが3つもあるのもいいですね。複数の重要な意味を持っている単語に悩まされることが減りそうです。
気になる点
特に気になる点はありませんでしたが、強いて挙げるとすれば次の二点ですね。
分厚くてページがめくりにくいかも、という点が1点目。
もう1点は印刷が見にくいかも、という点です。こちらはAmazonのレビューで書いてあった意見です。
ぼくは見にくいと思わなかったけどなぁ……
あとがき
とまぁこんな感じで自分の思ったことだけを好きなように書いてみました。
最後にも書いておきますが、単語帳の評価なんて人によります。
だから、人の意見を聞いて「どの単語帳にするべきか」と悩むみすぎないでください。
結局大事なのは、「どれだけ単語に時間をかけるか」「どう勉強するか」です。
これが単語学習の9割を決めると思います。
単語帳を紹介するページでこんなことを言うのも変かもしれないですけどね(汗)
もちろん自分の好みではない単語帳では小さなストレスがたまり続けるし、モチベーションも下がります。
そういう意味で単語帳選びがどうでもいいわけではないですよ。
というわけで今回は単語帳を評価してみました。
気になる単語帳が見つかれば追加していくかもしれません。
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